【2024年4月の休業日】22、23,24日はお休みです。 >> 鍼灸師個別の休業日はこちら

内臓系の症状

胃腸のお悩みについて

当院へみえる患者さんの中には、全然違うお悩みでみえても、問診事項に「胃がもたれる、お腹が張る」という項目に〇をつける方が結構な割合でいらっしゃいます。では、胃腸の不調はどのような状況下で起きるのでしょうか?

1-食べ過ぎ

現代は飽食の時代。生物史上始まって以来の「食うに困らない、むしろ食べ過ぎ」という状況です。古来飢えることが日常だった生物が、飢えなくなったのはごく最近の先進国のみかも知れません。

何億年もの間、糖を取り込み血糖値を下げるインシュリンはそれほど必要とされておらず、寧ろ飢えている間に蓄えている糖を分解して血糖値を上げるグルカゴンの方が必要とされてきた訳ですから、100年前くらいから急に飽食の時代にねい、すい臓もびっくりして対応できないため糖尿病が多いのかもしれません。

東洋医学的な解釈では、食べ過ぎると、胃腸が処理できず機能がストップしたり、処理できなかった食べかすが痰などになって胃腸や全身で悪さをする場合もあります。またそういう状態が長期間続くことで胃腸が弱ってしまうことも。

2-ストレス

また現代はストレス社会。ストレスで潰瘍になることはよく知られていますが、東洋医学的にも、古来からストレスが胃腸の働きを制限することは知られていました。それも胃のもたれやお腹の張りに影響しています。

3-運動不足

また、車や電車など、交通機関が便利になり移動も歩かないで済むようになったこと。またコロナで在宅勤務になったことも運動不足に拍車がかかった部分もありそうです。

東洋医学的には、四肢を動かすことが臼の様に作用して消化を促すと考えていますが、現代人は動かないため、胃腸の動きも活発でなくなっているかも知れません。

ただここの所、パーソナルトレーナーに定期的に見て貰っている、と言う人が増えたので、健康に対する意識は高くなっている感じはします。

4-胃腸が弱っている

東洋医学的には、加えて胃腸が弱っている場合、というのもあります。元々消化能力が低い人もいますよね。私もそうですが、痩せている患者さんの中には「食べたいのに食べられないから痩せているのに、羨ましがられて辛い、むしろ太りたい」という人も多いです。

胃腸のお悩みに対する鍼灸施術

以上の食べ過ぎ、ストレス、運動不足に胃腸の弱さが相まって、胃腸症状を引き起こしていることが殆どです。
症状としては、胃もたれ・お腹の張り以外にも吐き気・嘔吐・軟便・下痢・便秘・眠気・頭がボーっとする・食欲不振・口が乾くのに飲めない、等、多様な症状が引き起こされます。眠気については嗜眠傾向のケーススタディにも書きましたが、東洋医学的な胃腸の解釈では、消化吸収した栄養を脳まで上げて頭を明晰にする働きもあるため、その機能が落ちると眠くなったり頭がボーっとしたりする訳です。

東洋医学的には、上記の4つのメカニズムのうち、どれがどれくらいの割合でその患者様の症状に関わっているかを分析して、その都度必要なツボを選んで刺鍼・或いは施灸します。

治療に当たっては、ある程度食事の量を考えたり、運動をしたりと患者様ご自身の努力が必要な場合も、ままあります。飽食・ストレス・運動不足に加えて労働時間の長い現代日本において、自己努力をするのはなかなか難しいかもしれませんが、治療効果を高めるためにはぜひご自分の胃腸と相談して、頭が食べたいのか(ストレス食い)、胃腸が欲しているのか観察してみたり、体を動かしてみることをお勧め致します。

本山 裕子

本山 裕子

鍼灸師 ‐婦人科系、内臓系、心のお悩みが得意分野です。

関連コラム

最近の記事

  1. 歯ぎしりについて②

  2. 歯ぎしりについて①

  3. ケーススタディ|コロナ後遺症