2026年3月の休業日の休業日のお知らせです。鍼灸でからだの調子を整えましょう。お気軽にご来院ください。

自律神経系(不眠・疲労感・気分障害・胃腸障害)

ケーススタディ|抗がん剤と放射線の副作用による全身症状

◇経過・主訴

60代の女性。数年前に子宮頸がんで卵巣と子宮を全摘。その後定期的な検診を受けずにいたら再発しており、また新たに乳がんも認められ、現在子宮頸がんに対する抗がん剤治療後の放射線照射治療中。それらの治療でかなり体力を消耗しており、立ったり歩いたり座っているのも少し辛い状況で、かつ胃腸症状も出ており、水も飲みたくないし下半身がむくんだ状態。また数か月後に乳がんの摘出手術も控えている。元々若いころから鍼灸治療は受けてきており、どうにかならないかと来院されました。

◇観察

全体を観察したところ、脈やお腹、ツボの反応など、下半身が弱り、上半身は緊張して上下のバランスが大きく崩れていました。下半身の弱りについては、初診時は子宮頸癌の治療中で、生殖器に対して局所的に放射線を照射しており、そのせいで特に下半身が弱っていたのと、抗がん剤により癌だけでなく全体の生気が破られていたことも考えられます。また60歳という年齢的にも、腎虚と言って下半身が弱ってくる時期であることも要因としてあると思います。


上半身の緊張は、一つは癌治療という精神的にもストレスフルな治療に対する緊張や不安。それと共に、抗がん剤という、癌を攻撃すると同時に正常な細胞や臓器にとってもある程度「毒」として捉えられる様な、強力な薬を取り入れていることに対する肉体的な緊張もあると思います。

◇施術

初診時は、下半身を強化するように補いつつ上半身の緊張を取り、上下のバランスが整うように灸で施術。施術中に心窩部付近の緊張が緩むと同時に、全然飲みたくなくなっていた水が飲みたくなってきたとの事。実際、帰宅後飲めたそうです。

その後も下半身を指し示す脈が強くなり、かつ全体的な緊張が取れてくつろいだ脈になっていくこと、お腹の上下のバランスが整う事などを指標にして施術を続けました。放射線照射治療を継続しつつ週2回ほどの施術をするうちに体力が回復していきました。

◇考察

癌は二人に一人が罹患する病と言われており、ある意味誰もが他人事ではなくなってきていますが、癌治療そのものだけでなく、癌治療で弱ってしまった体力を回復させたり、抗がん剤や放射線治療の副作用による胃腸症状を緩和するお手伝いを、鍼灸施術が担える可能性を示すケーススタディだと思います。

癌は、働いたり生活しながら治療していく、ある意味癌と共存していく時代に突入しており、入院より通院治療が増えていたり、入院期間もどんどん短くなっています。しかし抗がん剤も放射線も副作用が強く体力を消耗してしまうため日常生活が辛い状況になってしまう。そんな時QOLを上げたり、体力をより早く回復させ、次の治療に向かえるようにしていく。そんなお手伝いを鍼灸はできるのではないかと思います。

癌の治療中で色んな不定愁訴を抱えて不安な方は、是非お近くの鍼灸院の門をたたいてみてください。調布や京王線沿線にお住まいの方は是非、春宵堂治療院へお越しください。

本山 裕子

本山 裕子

鍼灸師 ‐婦人科系、自律神経専門

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