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自律神経系(不眠・疲労感・気分障害・胃腸障害)

ケーススタディ|気分の落ち込み、体の痛み、不眠

◇症状・経緯

2020年6月頃から、コロナに対する不安感が高まると同時に動悸息切れが生じる。呼吸器や循環器の検査をしても問題はなく、逆に治療法がないことで不安感が増し、体の痛みや不眠などの症状も増えていった。元々生理前はイライラしやすかったが、最近は気持が塞ぐことが増える。また、ここ最近は寝汗も酷い。元々ストレスで喉の詰まり感が出やすかったが、長くは続いたことがなかった。また、年齢的に経血量が減ったり、髪のパサつきや目の乾燥などの症状も出てきていた。もともと心配性とのこと。

◇見立て

コロナに対する心配から心身ともに緊張し、特に胸脇部で気の滞りが生じてのどの詰まりや動悸や息切れが出て、更に体の痛みが生じ、次に緊張が熱化して不眠や寝汗、気持ちが塞ぐなどの症状も加わったと判断。髪や目の乾燥、経血量の減少など東洋医学的な「貧血(血虚)」もあるが相対的に緊張が強いとみて、緊張を緩めることを優先的に治療を開始する。

◇治療

緊張を緩めることを目的に、心と肝をターゲットにして刺鍼。初診後から睡眠が取れるようになり、寝汗も改善。2診目以降、不安なことを考えると動悸や体の痛みが出るが、のどの詰まりや息切れはほぼ消失。また気分が落ち込むことも減少。日々の出来事で少し増悪するが、全体的に緩解傾向。また途中から血を補うツボを加えるとより効果が高まっていった。

◇考察

心肝の緊張と熱とをターゲットに施術を開始し、ある程度緊張が緩んでいましたが、途中から補血作用のあるツボを使うようになったところ、更に治療効果が高まりました。これは、血を補うことによってより緊張が緩んだのと、下のツボを取ったため、降気作用としても働いてくれているのではないかと思っています。

精神的な不安や緊張は心身共に不調をきたしていきます。早めに緊張を取っておけば、症状が重なっていくことも防げます。予防のためにも、日ごろの運動習慣が重要なのと、それでも緊張が緩まない場合はそこに治療を挟んでいけば、深刻な症状をきたすまで悪化せずに済むことも多いですよ。

本山 裕子

本山 裕子

鍼灸師 ‐婦人科系、内臓系、心のお悩みが得意分野です。

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