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東洋医学や鍼灸について

コロナ後遺症や花粉症-EAT(Bスポット療法)についての考察

当院にみえるコロナ後遺症、ワクチン後遺症、慢性疲労症候群の患者様、他に花粉症の方でも、持続的に「Bスポット療法(EAT)」(以下EAT)を受けている方がいらっしゃいます。お聞きしてみると、治療そのものは痛い(医師によって差があるとのこと)が、症状の緩和が見られる方もいらっしゃるようです。

まだ西洋医学的にも科学的に効果の因果関係が証明されていないせいか、世界的にはまったく注目されていないようです。効果はあるようなのでもったいないですね。

ETAとはどんな治療法?

提唱者である堀田修先生によると、ETAとは以下のような治療法と説明されています。

「慢性上咽頭炎」を原因とした炎症物質「サイトカイン」が血流に乗って全身を駆け巡り、咽頭から離れた場所でも炎症反応が起きてしまう。その根本治療として上咽頭の炎症部分に塩化亜鉛溶液を塗布或は擦過することで、①消炎作用と②瀉血(しゃけつ)作用、③迷走神経(副交感神経)刺激効果が期待出来る

EAT<イート>治療 – 塩化亜鉛溶液を用いた上咽頭擦過治療

東洋医学的にETAを考えてみると…

東洋医学的には、瀉血作用と消炎作用は 

瀉血作用>消炎作用

という関係になります。

瀉血には消炎作用、瘀血駆除、毒出し(膿など)作用も含まれるため、局所に膿があれば排出できるし、消炎作用もある、ということなのでしょう。

また「サイトカイン」と言えばコロナ後遺症やワクチン後遺症の報道でよく聞いた物質。

参照:原教授に聞く「新型コロナウイルスの感染は細胞老化を引き起こすことで炎症反応が持続することを発見」

コロナ感染後にサイトカインが増え、全身に炎症反応が起こる、ということのようです。

だから、コロナ後遺症やワクチン後遺症にEATをしてみよう、という流れになったのかなと思います。

また、迷走神経刺激効果がある、つまり副交感神経を目覚めさせる、という効果も期待しているそうなので、逆に言うと、交感神経優位の症状、自律神経失調症にも効果が期待出来るのかも知れません。

自律神経失調症は、東洋医学的な「火熱」を原因とする症状に移行しやすいため、熱を冷ましつつ交感神経をオフにする、というのは東洋医学的にも理解できます。

自律神経についてはこちらのブログもどうぞ
>> 自律神経って何ですか?②

ETAって、随分盛り沢山の効果が期待出来る治療法なんですね!

これを鍼灸の視点から深掘りしてみようと思います。

東洋医学的にみた「Bスポット療法で効果が得られやすい症状」とは?

当院での経験なのでごく少数ではあるのですが、継続的にEATを受けている方、EATを勧められて受けた経験のある方は、西洋医学的には炎症性の疾患の方が多いです。具体的には原因不明の炎症反応が長期間継続していたり、原因不明の微熱が続いたり、花粉症などの過剰な免疫反応がある方です。

東洋医学的には原因不明の炎症は3種類の「火熱」によると考える

東洋医学的には「火熱(かねつ)」が原因(かもしれない)症状でお悩みの方、と言えると思います。

東洋医学的に「火熱」の原因は

  • ①風邪などの感染性のもの
  • ②ストレスやなどによって気が滞って、「気滞による症状」が起き、それが長期化する過程で「火熱」化していったもの
  • ③肉体的精神的な疲労などにより弱ってしまって「火熱」化している

以上の3つが多いです。

この3つは、症状としては同じ「火熱」ですが、アプローチが全く異なります。

①の治療法はいわゆる風邪の治療、②は消火、③は補う、です。

ですので、単純に消炎作用が効きそうなのは②ということになります。

当院で「EATが効いた感じがする」という方は、やはり②の方ばかりで、緊張が強いけれども熱化はしていない方、あるいは弱ってしまっている方は、それほど効果を感じなかった、とのことでした。

また②の「ストレスによる気の滞り→火熱」によるものは、自律神経についてのブログでも書いたとおり、交感神経優位の自律神経失調症にもよく見られるので、迷走神経刺激効果によって効果が見られるのもうなずけます。

「弱っている」場合は効果が得られにくい

一方で、例えば慢性疲労症候群やコロナ後遺症、ワクチン後遺症などで、東洋医学的に「火熱」による症候が見られず、弱ってる症候がメインの方もいらっしゃるのですが、EATの効果は感じなかったそうです。

元々虚弱だったのか、交感神経優位の状態が長期間継続して疲労してしまったのかは分りませんが、現状弱っている状態ですと、消炎作用や迷走神経刺激をしても、効果を出せないのかもしれません。

東洋医学的にも、体力の底上げをする施術をして、元気になってきてから緊張を取る施術に切り替える、という手法が定石です。もしかしたら、体力的に充実してきた段階でEATをすると、効果が見られるのかもしれないな、と思っています(体力的には充実していても、緊張が強かったりすれば体調が悪く倦怠感が強い場合も多いので「元気」の定義が大変難しいのですが・・・)。

最後に

当院の患者さんでの統計で、ですが、EATをして悪化した、という話は聞いたことがありません。なので、まずは病院ですすめられた場合は受けてみるのも手なのかな、と思っています。

本山 裕子

本山 裕子

鍼灸師 ‐婦人科系、内臓系、心のお悩みが得意分野です。

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