自律神経失調症って鍼で治せるの?
前回のブログでご説明したように、自律神経失調症とは「交感神経が優位になってスイッチが切れなくなった状態」、つまりシマウマがライオンからずっと逃げ続けているような状態を指します。
解決するには、「副交感神経が働くようにもっていく」、つまりサバンナで水をゆっくり飲んでいるシマウマみたいな状態を作り出すことが、セルフケア含めた対処法になるわけです。
しかし、特に慢性化した症状に関しては、セルフケアやリラクゼーションではどうしようもないことも多いです。
そこで、当院で東洋医学的にどうアプローチしているのかをご説明します。
当院では自律神経失調症にどうアプローチしているか?
自律神経失調症の原因としては、多い順に以下の3つがあります。
①気の滞り
②熱
③弱り
それぞれの場合に多い症状と当院での対処法を説明していきますね。
①「気の滞り」による自律神経の乱れ
症状としては胸が苦しい、のどがつまる、呼吸が浅い、食欲がない、たくさん食べられない、もたれる、酷いと軟便下痢、腹痛、肩こり、頭痛、女性ですと生理痛が酷い、などがあげられます。
ライオンに追いかけられている状態=ストレスによる緊張がずっと継続している状態、というわけで、常にストレス下にあることが交感神経優位の原因ですが、東洋医学的には、ストレス下では肝の気が停滞する、と考えます。上記の症状は、肝気の停滞が原因なのです。ですので、鍼灸施術では気をより巡らせ、緊張を取るような施術をすると改善することが多いです。
どう施術するかは患者さんの状態などによって異なります。
②「熱」による自律神経の乱れ
これは①の気の滞りが酷くなった時に見られる症状です。東洋医学的に、肝臓の気の停滞が継続すると熱化する、と考えています。
具体的には、胸が苦しくて呼吸が浅いのに加えてほてり感が出たり、睡眠障害として入眠できない、途中覚醒、早朝覚醒、夢が多い、悪夢が増える、あるいは寝汗などの症状。
また口や喉、目が乾く、酷い頭痛や閃輝暗点、眩しい、聴覚過敏、胃腸に関しても①と同様の症状が出たり、酷くなると継続する吐き気や嘔吐となります。
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2021.03.23
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火は上に向かうものですが、熱の症状も上に向かいます。
上のベクトルが酷くなるので、下がるべき胃の内容物や息などがちゃんと下がっていかないことが特徴です。
また、熱は睡眠に対しても悪さをしますが、体を乾かしていくのであちこちで乾いた症状も出てきます。
③「弱り」による自律神経の乱れ
これは、純然たる弱りというより、ずっとライオンから逃げ続けて疲労が蓄積した「弱り」です。
現実社会でいうと、「ストレスによる緊張が長期間に及んだことによる疲労」による弱りなのですが、「逃げないと!」という緊張が基本としてある状態です。たいていの場合、①「気の滞り」か②「熱」もあるうえでの弱り、ということが多いです。
症状としては、①②のような症状に加えて、だるさ、疲労感が加わってきます。
施術において難しいのは、緊張や熱を除去する施術を優先するのか、弱っているところの強化を優先するのか、というところです。
また、気の滞り=緊張が強すぎても疲労感が出ることがあります。つまり、①②でも疲労感やだるさは出ることがあります。
どう施術するかは、脈や舌、体全体のツボの反応などを詳細に見たり、問診などから判断します。
それでもはっきりしなこともあるのですが、そういう場合は慎重に施術していきます。
軽い自律神経の乱れの場合
とはいえ、軽い自律神経の乱れならセルフケアでも良いでしょう。
例えば心温まる映画やコメディ、ホラーが好きならそれでも良いし、映像作品を見る、本を読む、自然と触れ合う登山やハイキング、キャンプなどをする。ジムで筋トレをする、仲間と運動をする、家族で温泉に行く、など、ストレス解消をすると副交感神経がオンになります。
自力で緩まない、緩める時間が無い、という場合は、交感神経優位の程度が軽いならば、リラクゼーションやマッサージでも緩むでしょう。ぜひ試してみてください。
セルフケアで改善しない場合は鍼灸も選択肢に
しかし、慢性化してしまい、①②③で挙げたような、胃痛や吐き気などの消化器症状、呼吸が苦しい、呼吸が浅いなどの呼吸器症状、のどが詰まる、動悸がする、胸が苦しいなどの循環器症状、睡眠障害や気分の落ち込み、イライラなどの神経的な症状、また、酷い頭痛や閃輝暗点、過敏症、女性ですと生理の異常、男性ならインポテンツなどもあると思いますが、それらの症状がある場合は、リラクゼーションでは改善しないこともあります。
まずは循環器や消化器などの医院で深刻な異常がないか診断してもらい、異常があれば投薬治療などになるかもしれません。どこも異常がない、となれば鍼灸も適応です。お近くの鍼灸院に行ってみるのも良いかと思います。
調布の方は、ぜひ春宵堂治療院へお越しください。