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東洋医学や鍼灸について

冷えは万病のもと!?②

◇今回は寒気について

寒気と聞いて思いつくのは、風邪の時のなんだかゾクゾクする感じだと思います。こういう感じの場合、脈や体表観察などで風邪だとわかる場合が多いのですが、風邪じゃないのに寒気を訴える方もたまにいらっしゃいます。今回は色んな寒気について東洋医学的に解説してみようと思います。

◆なぜ寒気が起こるのか??東洋医学的に考えてみます

私は患者さんに寒気について説明する時に、国境警備隊のたとえ話をするようにしています。

「国境を守っている警備隊=体表でウィルスやばい菌から守っているもの」は、東洋医学的には「衛気」という概念なのですが、これは専門的すぎるので、簡単に言うと「免疫」と言っても良いでしょう。

国境で外敵(=寒邪※など)と戦っている時に「寒気」がする、と東洋医学的には捉えています(ここで戦いに敗れ、外敵が入ってくると寒気はしなくなり、高熱や大量の発汗、下痢嘔吐など別の症状が出てきます)。ここで警備隊の戦力が圧倒的だと、寒気すらせずに外敵(風邪の原因となるもの)を打ち負かしてしまうのです。つまり風邪をひきにくい。ですから、寒気がしている段階で、負け気味になっているという事になるかも知れません。この時に体調に合わせて麻黄湯や桂枝湯を飲むことで、国境警備隊を助け外敵を打ち負かせば、汗をかいて治るというわけです

ここで警備する兵士達の訓練が足りなかったり人数が足りなかったりすると、外敵が攻めてきたときに負けてしまいます。また、外敵が強すぎても、負けてしまう、つまり感染してしまうという事になります。 

◇③第三の冷えの場合の寒気

前回のブログの第三の冷え(緊張が強い場合の冷え)とも関連しますが、緊張が強すぎても寒気がする場合があります。自律神経でいうと、交感神経優位になってしまっているのです。

これは、国境警備隊は十分にいるんだけど、カチカチに緊張していて戦闘どころではない状態です。カチカチに緊張しているので、外敵がいないのに、ちょっとした風や物音でも隊員達がびくびくしてしまっている状態とも言えます。

また、体中が緊張しているので、国内では交通渋滞が起きて、部分的にはほとんど動けないような状態になっていることも。この場合、緊張が強いため内側は熱化している場合も多く、「脱いだら寒いし着たら暑い」という表現をする方が多いです。

内側はストレスによる緊張から熱化してのぼせて暑いのに、外側だけ寒いのです。ですので、顔は真っ赤なのに寒がって厚着をしてしまう。それと、風が苦手な方も多い印象です。風は東洋医学的に「邪気」の一つで、また風も緊張による「気滞」も東洋医学的には「肝」が主どるため、ストレスによる緊張によって「肝」が高ぶったり滞ったりすると、風に対して敏感になるようです。

こういう場合、鍼灸では緊張を取る施術をすると、寒気が和らぎ、内側の熱も漏れて、のぼせが軽くなります。風を受けても具合が悪くなりにくくなります。

今回ご紹介した寒さ、寒気は、根本的な原因は緊張と熱です。そこが分かりにくいところ。人より寒がったり寒気があっても、飲み物は冷たいものが平気だったり、お風呂でのぼせやすかったり、睡眠障害があったりする場合は緊張や熱がベースにある場合もあるので、よくよく観察してみることをお勧めいたします。

症状がお辛い時は、お近くの鍼灸院に行ってみてもよいと思います。調布や京王線沿線の方は、ぜひ春宵堂治療院にお越しください。

※外敵は寒邪だけでなく、熱邪や暑邪、湿邪風邪など色んな種類があり、それによって国境警備隊と戦っても寒気が出たり出なかったりします。「寒気」という初期症状を引き起こす原因に関しては、主に寒邪と風邪という事になります。

本山 裕子

本山 裕子

鍼灸師 ‐婦人科系、内臓系、心のお悩みが得意分野です。

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