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東洋医学や鍼灸について

コロナ禍の体調管理と鍼灸治療の有効性

昨年3月頃から、終わりの見えないいわゆる「コロナ期」に突入したといえるでしょう。
ですので、すでに私たちは一年程コロナと付き合ってきているということになります。

その間に、私共のような治療院にみえる患者さんにも、コロナ期だからこそ、というお悩みの方が増えています。

コロナ禍で増えた4つのお悩み

  1. 一つは、リモートワークなどによる腰痛、頚肩部痛です。
    自宅での仕事環境が整っていない(デスクや椅子、室内の温度管理など)ために、体のあちこちに痛みが出ている方。これは、画像診断で異常が無ければ、無理な姿勢で局所的な筋肉が過緊張を起こしていたり、小さな関節がずれていたりする場合が多いため、鍼灸マッサージが有効となります。

  2. また、コロナでの外出自粛要請により運動不足になっているため、各種番組でお家でできる運動の特集などが組まれていたようですが、それを見よう見まねでその通りにやってみたら全く違うことをしていて体を痛めたという方たち。
    これは、筋肉も骨も弱っている老人が多く見ている番組で、ムキムキのアスリートが運動指導をする弊害を感じました。理学療法士の方とお話ししても、リハビリのための運動指導をする場合、直接接していても指導した通りにすぐにできる方は少ないそうです。それをテレビ画面で見ながら体を動かす、というのはハードルが高い部分があると思います。本人には合っていない無理な運動をしたことでヘルニアになってしまった方もいらっしゃいました。また、若い方の中には、you tube でヨガ等の運動を見よう見まねでやっていて、自分に合わないポーズをやったり、痛みを我慢して無理してポーズをし続けて、筋肉を傷めたり関節が歪んで痛みが出てしまっている方も多いです。
    これも画像診断で問題が無ければ、鍼灸マッサージの得意とする分野です。

  3. 次に、コロナの外出自粛やリモートワークにより運動不足になった結果足腰が弱り、反対に心配なニュースが多かったり全てオンラインでのやり取りになったりして目や頭を酷使し、胸から上が過度に緊張してしまった結果、めまいやふらつき、耳鳴りや頭痛吐き気などが起きている方たち。

    これは東洋医学的には「上実下虚」といわれる症状で、下が弱った結果、上が緊張するタイプ、上の緊張が強すぎて下が相対的に弱るタイプとありますが、どちらにしても、下の弱りがメインの病理か、上の緊張がメインの病理かを鑑別して施術する必要があります。これも、三半規管や耳、胃腸に問題なしと診断を受けていれば、上下のバランスをとる、という意味でも鍼灸治療の得意とする分野です。

  4. 次に、コロナでの心配やストレスで、自律神経失調症となっているタイプ
    これは③と重なる部分もありますが、目や頭ばかり使っていること、またスマホなどで得られたマイナスの情報で心身の緊張が過度になっていることで起こる状態です。睡眠障害やパニック障害、のどの詰まり感や息苦しさ、生理痛の悪化や過度の不安感、情緒不安定やイライラなど症状は多岐にわたります。このような不定愁訴といわれる症状もまた、鍼灸治療の得意とするところです。

以上のようなコロナ期に特徴的な症状の方に接して思うのは、やはり外出自粛とは言え、運動は不要不急ではないということです。①~④全て、運動することが症状の軽減または予防につながります。行政の発表時も、運動は不要不急ではなく「必要」であること、感染予防をしながらいかに運動をするかというアドバイスを、ムキムキのアスリートによる筋トレでなく、体の弱い人でもできる事も含め発信してもらいたいです。

ストレス発散も大切

また、いかにストレス発散をするのか、という事です。2020年3月からあまりに自粛しすぎて心身ともに緊張が過度になり体調を崩されていた方が、8月ころに思い切って外食して、かなり緊張が緩んだ、という事もありました。
まじめな方ほど厳格に自粛をしすぎるきらいがありますが、コロナ期でもストレスを発散する方法をいくつか持っておくと、緊張をため込まずに済むと思います。

感染対策をしてのストレス発散というと、一人外食や一人カラオケ、ピクニックやマスク着用してのお喋りや登山、ジョギングなど、色々考えられると思います。できる事から少しずつ実行しては、と思います。

運動もストレス発散も、滞りを取り除く作用があります
運動不足も目や頭の使いすぎも、体力の弱りもストレスも、すべて滞りを生みますが、それを解消できるのが、運動とストレス発散です。

本山 裕子

本山 裕子

鍼灸師 ‐婦人科系、内臓系、心のお悩みが得意分野です。

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