◇症状・経緯
座位が続くと背中全体がざわざわして落ち着かなくなってくる、という主訴。整形外科では原因不明とされ、痛み止めや湿布を貼っても変化はなく、それほど痛くて辛い訳でも、日常生活では我慢できないわけではないので、数年間放置していたそうですが、お友達の方が似たような症状で来院され、一回の施術で改善したと聞いたとのことで、駄目元で来院されました。
◇見立て
ピンポイントでなく広範囲な痛み、違和感であり、また、動いたとき、入浴時に痛みが緩解するということがカウンセリングで明らかになったため、筋筋膜性腰痛症であると判断しました。
◇施術
筋筋膜性腰痛は、傷めた筋肉の深さによって、アプローチが変わってきます。この方の場合は、皮膚を軽く上下左右に動かすことで、症状が緩解しましたので、施術を終了しました。
◇経過と考察
仕事柄座っていることが多いようですが、良い姿勢を心がけるあまり、逆に腰から背中にかけて反らすような姿勢を継続していたそうです。その結果、脊柱起立筋という背筋、特に左側が緊張し、左腰から左背中にかけて全体的な痛み・違和感を生じていたようです。
施術に当たっては、筋肉の表層、皮膚の動きにくいところから筋肉の深層にかけて触診する深さを変えていくことで、どこの深さに病態があるのかを推測します。この方の場合は一番表層に反応があったため、上記のような施術となりました。