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西洋医学では原因不明の症状

ワクチンの副反応①

◇ワクチン接種後の体調不良

ワクチン接種後に発熱してしまい、仕事を数日休んだという話は良く聞きますが、それが数ヶ月に及んでいる方もいらっしゃるようで、当院にも少ないですがそれを主訴としていらっしゃっています。

◇具体例と東洋医学的な考察

当院におみえの患者様の場合なので、全ての方に当てはまるわけではありませんが、熱や気の滞りが関与した症状が見受けられました。

①接種後発熱と同時に喉が痛くなり、熱は数日で下がったが喉の痛みが継続。2ヶ月ほど続くので内科に行って見た所、甲状腺炎と診断された。この方は元々膝や腰の痛みで当院にいらしてましたが、この時だけ担当を交代して2回の施術で喉の痛みがなくなりました。肝の熱として弁証して選穴した施術でした。

②接種後からだるさが継続しているという患者様。この方は主訴は別でしたが、初診時のカウンセリングでワクチン接種後のだるさが出ているとの事でした。この方の場合、主訴に関しても副反応によるだるさに関しても、気滞と熱が関与していると弁証し、どちらも改善しました。東洋医学的には「異病同治(別の症状が同じ施術で改善する)」と言います。

③接種後、元々あった身体の痛みが悪化し、だるさや疲労感、不安から元々あった不眠や胸や喉のつまり、食欲不振やもたれ感なども悪化したという方。

この方の場合は元々ある血の不足に加えて、気の滞りと熱、またワクチンの接種後のストレスによる胃腸症状や過食から生じた痰のような病理産物も関与している様です。元々弱っている部分がある方は、施術期間が長くなる傾向にありますが、この方も少しずつよくなっています。

④接種後数時間発熱し、その後身体のだるさが時により出るという方。お聞きしてみると、過食後、飲酒後に増悪、運動すると改善するようです。元々熱がこもっているタイプの方ですが、接種後身体の滞りが悪化して更に熱がこもり、以前と同じような過食や飲酒でも、気が滞り胃腸に痰のような病理産物と熱がこもってだるさがでると弁証しました。このタイプのだるさの場合は一番良いのは継続して運動しセルフケアをすることですが、同じだるさでも、運動すると悪化するタイプの方も多い様ですので注意が必要です。

◇東洋医学的な感染症についての考察

何故ワクチンを接種すると発熱以外に気の停滞や長く続く熱による症状が「人によっては」起こるのか?東洋医学的には、元々熱がこもりやすい方、停滞がきつい方、或は身体が弱っている方に影響が出やすいのかも知れないなと思います。

 東洋医学的には、軽い風邪の場合ひく人とひかない人がいるのは、病原菌やウイルスだけが原因なのではなく、風邪をひく側にも、体力の弱りや、食べ過ぎ・ストレス過多など生活習慣による原因・問題があると東洋医学では考えます(コレラなど感染力の強い感染症はまた別です)。例えば周りが全員風邪なのに独りだけ引かないで済む人の場合、気力体力が充実しており、風邪が入りかけてもすぐ除去出来る、と東洋医学では考えるのです。

 コロナ後遺症やワクチン接種後の体調不良に関しても、コロナウィルスやワクチンそのものに特有の副反応を起こす要因があるのとは別に、感染した人、接種した人の体質にも要因があり、その人の体質に合わせた施術や治療が必要になる、という事です。

沢山の鍼灸師や漢方家がワクチン後遺症やコロナ後遺症で困っている患者様に施術しているでしょうから、その知見が将来集積され、今後の感染症対策に有効利用されると良いなと思います。

本山 裕子

本山 裕子

鍼灸師 ‐婦人科系、内臓系、心のお悩みが得意分野です。

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