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腰痛

腰痛ケーススタディ⑩|仙腸関節のズレによる臀部から下肢にかけての痛みと痺れ

◆症状・経緯

50歳女性。筋トレ、ランニング、軽登山が趣味。デスクワークが8割くらいの仕事。座っている時間が殆どのため、普段から運動はするようにしているが、その日はいつもと違うストレッチをYouTubeを見ながら念入りに行なった。その後気が付いたら右臀部に違和感が出てきて、軽い筋肉痛かと思っていたら、翌日には痛みと痺れに変わっていた。
これまでに臀部周辺の痛みが出る事があったが痺れが出たのははじめてだったので、不安になりネットで色々と調べたところ、下肢の痺れ、痛みは腰椎椎間板ヘルニアの可能性があると知り、すぐに整形外科へ。
画像診断で椎間板ヘルニアではないことが判明し、異常なしとのことで、湿布を出され1週間後の再受診を勧められた。
湿布を毎日貼るが全く変化がないため、知り合いのご紹介で当院に来院。

◆見立て・施術

まず、痛みと痺れの場所から、
①腰部神経根性障害

②仙腸関節性障害

③筋筋膜性障害

の三つの可能性がありますが、病院での画像診断から①腰部神経根障害は可能性から除去。②か③で迷いましたが、各種検査と動作分析により、②の仙腸関節障害。つまり仙腸関節にズレがあると判断しました。

原因としては、具体的には前後に開脚した状態から上半身を捻るというストレッチを一生懸命に行なったようで、これは骨盤を固定した状態で上体を捻るため、その際に仙腸関節がズレたと判断しました。


仙腸関節のズレを矯正したところ、その場で症状の6割が軽減。
右臀部の痛みから左臀部へ移動し、右大腿部の痛み、痺れは消失、左臀部のピンポイントの痛みが残る。初回の治療はこれで終わり、2回目は2日後に行いました。左仙腸関節の矯正をして左右のバランスを整えたところ、ほぼ症状がなくなったため、施術終了。
3回目は1週間後、1割程度残っていたので、仙腸関節の調整をして、完全に痛みが無くなったので施術は終了しました。

◆考察

今回の症状は、前後に開脚し上半身を捻る動作で仙腸関節がズレた事により痛み痺れが出た症例でしたが、開脚して前屈するストレッチや、庭の草むしりでも同様の症状が出る方もいらっしゃいました。つまり、股関節が固定された状態で上半身を捻る動作は仙腸関節はずれやすいということです。

仙腸関節はまだまだ分からないことの多い関節です。この関節がずれるとどういう痛みが出るのかは消去法的にわかるのですが、ずれたことで何故臀部や下肢に痛みや痺れが出るのかは解明されていません。ただ、今回の様に関節の位置を正しい位置に戻す矯正をすれば、痛みが収まることは分かっているのです。

自分が痛いと思っていたところとは別の場所に痛みの発生源(炎症など)がある方はかなり多くいらっしゃいますが、痛みが出ている部分には問題が無いため、画像診断には映らないし、傷んでいる場所に湿布などを貼っても痛みは取れず、お困りの方も多いのだと思います。 筋肉や関節の仕組みが分かっていると、痛みが生じる動作を特定することで、痛みの原因を特定し、そこに的確な施術が行えます。

「私の腰の痛みに似ている」という方は、ぜひ調布の春宵堂治療院にお越しください。

中村正佳

中村正佳

鍼灸あんまマッサージ指圧師 -関節の痛みを専門とし、研究、施術に励んでいます。

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