春宵堂治療院 2026年1月の休業日のお知らせです。年始は3日まで休業します。よい年をお迎えください!

自律神経系(不眠・疲労感・気分障害・胃腸障害)

ケーススタディ|胃腸虚弱

◇主訴・経過

60代の女性。元々痩せており、体力が弱りそうで痩せたくないので食べたいのだが、たくさん食べられないし、食べるともたれたり気持ち悪くなったりする。病院にはあちこち行っており、色んな薬を処方されるが全然効果がなく、漢方薬も色んな種類を試したが効果を感じたことが無い。引っ越をしてまた少し悪化しているのでどうにかならないかと来院されました。若いころから胃腸は悪かったが、年を取って悪化している感じがするとの事。子育てが大変で、そのストレスがあったときが一番悪かったかもしれないともおっしゃっていました。今はお子さんたちも自立されています。

◇観察

見た目も、ご本人の訴えも、虚弱という感じなのですが、脈やツボの反応など、お身体全体を観察した結果、60代ということもあり弱っているところはありますが、主訴の胃もたれや胃の機能が低下した症状は、緊張から来ていると判断。緊張を緩める施術をしていきました。結果的に回数券を使い切る頃に改善。

◇考察

結果的にこの方の胃もたれの症状の原因は、胃弱ではなかったことになります。むしろストレスによる緊張が強く、そのせいで胃腸の機能が制限されていたのです。自分で体力がなく虚弱だと思っている方は多いのですが、お困りの症状の大本の原因は緊張である場合は結構あります。

この方の場合、見た目が痩せていていかにも虚弱という感じでした。それでも緊張を取る治療をしたのには、脈が元気だったりツボの反応がしっかりしていたのもありますが、服薬履歴も施術する際の大きな助けになりました。というのも、補剤、つまり胃腸を温めたり補ったりする漢方薬ばかりが何種類も処方され、全部効果を感じなかったというのです。補ってもダメだったという事は、つまり何らかの原因で停滞しているからではないか、と察しがつきます。

法律上薬剤師の先生は触診ができませんから、患者さんの見た目や訴える言葉で処方されます。この方のように、虚弱だというマインドセットの患者さんの場合は、それに沿って主訴を訴えますから、補う漢方を出すことになるのではないかと思いました。

患者さん自身も東洋医学を勉強されいて「私は腎虚ではないのですか?」「脾虚ではないのですか?」とおたずねになりました。その都度「腎虚も脾虚もありますが、今回の胃の症状についてはそれは原因ではないと思います。今回の胃もたれの原因は肝だと思います」とご説明していました。全体を見て弱っているところがあったとしても、それが主訴に関わっていなければ施術対象になりません。病の本質を見抜くためには日々の勉強が大切だという事を実感したケースでした。

最後にこの方の場合は何が緊張を生んでいたのでしょうか。お子さんたちは自立され、経済的にもある程度余裕がある。夫婦仲も悪くはない。引っ越しによる環境変化というストレスはあるにせよ、その前から胃の症状は継続していたわけです。全く運動習慣がないことによる停滞はあるにしても、それ以外は特に思い当らないようでした。考えられるのは、色んな病院や漢方薬局、鍼灸院に行っても症状が全く改善しないという不安。ただ、やはり特にストレス源が無くても、不安症など性格的なもので緊張が取れない方、或いは気温などの環境変化で緊張する方は一定数いらっしゃるなと感じており、そういう場合も、たまに針で緩めるのも有効だと思います。

★週2~1回の施術で8回で改善。その後はつらい時のみ来院

本山 裕子

本山 裕子

鍼灸師 ‐婦人科系、自律神経専門

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