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肩の痛み

ケーススタディ|肩の痛みと腕の痺れ

関節や筋肉について専門的に学び、鍼灸師の私が実際に施術したケースをご紹介します。

今回は、腕がしびれるほど肩に痛みがある方のケースについ

◆症状・経緯

年齢 49歳、
性別 女性、
職業 デスクワーク
1ヶ月程前から左肩から肩甲骨の内側にかけて、こりの様な突っ張りの様な何とも表現しづらい違和感があった。普段の肩凝りだと1週間くらい経つと良くなるが、今回は段々と違和感の範囲が広がり、先週辺りから上腕の後ろ側、前腕の外側に痺れの様な感覚が出て来た。
痺れが出たのははじめてのことで心配になり、脳神経外科で脳を診てもらったが異常なし。その後、整形外科で受診したところ、湿布と痛み止めを処方され、症状の変化がなければ手術と言われた。
手術をする時間もなく、恐怖感もありしばらく放置していたが、痺れと痛みがひどくなり、知り合いの紹介で「手術をせずに済ませたいが何とかならないか」と来院されました。

◆見立て

この女性の場合、元々肩と首が痛く、初めて腕の痺れが出ていたのですが、動作分析と整形外科テスト(症状がどの動きで出るか)の結果、実際に問題があるのは首の筋肉(斜角筋)であることが判明。この首の筋肉の過緊張があると、腕と肩に行く神経が絞扼されて、痛みや痺れが出る事があります。この様な症状は女性でデスクワークをしている方で、噛み締め、歯軋りをする、猫背の方に多いようです。勿論男性もいらっしゃいます。

◆施術

今回の施術はまず腕、肩に行く神経の走行を絞扼する場所(3箇所)のどこに原因があるのかを検査をしました。
その結果分った一番悪さをしていた筋肉が、前述の「斜角筋」と言う筋肉。ここの筋肉が硬くなり、通過する神経を圧迫していたのが、主な原因でした。この筋肉を緩めたあと、腕が暖かくなり血流がよくなったような感じになり、痺れが半分位に減ったとのこと。

その後、3日後に来院して頂きました。
当初の痺れはあと2割程残っていたので、前回の続きの治療。2回目の治療が終わった時点であと1割位の痺れと肩凝りが残っていたため、1週間以内にもう一度来院してもらいました。3回目の来院された時点でほぼ症状は改善されていたので、首、肩周りの神経が圧迫されやすい場所をチェックし、緊張の強い筋肉を緩めて治療終了となりました。

◆考察

この様な症状を大まかに「胸郭出口症候群」といい、以下の画像のように原因が3つあるとされています。今回の場合は斜角筋症候群だったわけです。

Vector illustration of where thoracic outlet syndrome occurs



デスクワークで同じ姿勢を長く続けている人、精神的緊張が強く肩や首の筋肉が緊張してコリが強い人、猫背で首が前に出て首の筋肉に負担がかかりやすい人、噛みしめや歯ぎしりで首の筋肉が常に緊張しやすい人に多いです。痺れというと脳か?という事で不安になり脳神経外科に行く人が多いのですが、勿論脳には問題が無いですし、筋肉の硬縮はレントゲンに映らないので、 原因不明となって投薬治療となったり、首の骨が真っ直ぐだったり骨そのものに問題があったりして手術を勧められることも多いようです。

筋肉が原因なのでもちろん手術をしても症状は改善しません。頸椎症や首のヘルニアなのか、脳なのか痺れや痛みの鑑別をしても、画像的に問題がない場合は、お近くの治療院へ行ってみることをお勧め致します。調布の方、京王線沿線の方は、是非春宵堂治療院へお越し下さい。

中村正佳

中村正佳

鍼灸あんまマッサージ指圧師 -関節の痛みを専門とし、研究、施術に励んでいます。

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