◆症状・経緯
元々肩こりが酷く、肩から頸にかけてのコリがあり、軽い吐き気もあるが、頭痛が一番辛い。後頭部から側頭部にかけて激しい痛み、ズキズキするような波打つような感じ。目の奥も痛いし、たまにビリッと電気が走るような痛みも出現している。痛み止めも効果がないとのこと。
以前から、不眠やめまいが酷い時に来院されていた40代既婚女性。フルタイムでデスクワークのお仕事をされています。中学生と高校生のお子さんがいて、夫は家事をまったくしないので、家事と仕事の両立が大変とのこと。
◆見立て、施術
肩こりが酷く、後頸部から側頸部の緊張が強いこと、また訴えている症状などから、「後頭神経痛」ではないかと仮説を立てました。神経の出口を圧迫することで痛みの再現をすることが出来るのも、仮設を裏付けるポイントとなります。原因となる筋肉を特定して、施術によってその筋肉を緩めると傷みがなくなるはずです。
◆考察
後頭神経痛とは、後頭部深部の筋肉(後頭下筋群)の緊張により、大後頭神経(以下のイラスト参照)が圧迫されることにより発生する痛みです。
筋肉が緩めば痛みが解消することが多いですが、繰り返すことも多いです。というのも、原因が普段の姿勢にあることが多いからです。
多くの場合、猫背で顎を突き出している姿勢が後頭部の筋肉を緊張させる原因なので、その姿勢が治らなければ痛みを繰り返すことになるわけです。
デスクワークが多いと、どうしても姿勢が悪くなります。また、忙しくて運動不足だと、重い頭を支える筋力も全体的に低下しがちです。筋力が低下しているのに、そこに負担がかかるので、小さい深部の筋肉が緊張してしまうわけです。
そのため、姿勢を正しく保つ努力をしつつ、施術して緊張している筋肉を局所的に緩めていくことが必要になってきます。
ドラマにも登場した後頭神経痛
後頭神経痛は、2024年5月6日に放映された関テレドラマ「アンメット」第4話にも登場しました。
ドラマでは、後頭神経痛である患者さんが倒れ、その痛みの激しさから「持病の脳動脈瘤が破裂したのでは…」と疑われていました。後頭神経痛は、頭痛とはいえ、場合によってはそれほどの激痛になり得ます。
物語上では、脳動脈瘤が発見されて手術をしようかどうか悩んでいるうちに後頭神経痛を発症していましたが、精神的なストレスも身体を緊張させるため、後頭神経痛の原因になり得る、ということだと思います。
セルフケアと専門家の両方でケアするのがおすすめ
ネットで調べると、筋肉を緩ませて後頭神経痛をケアするストレッチの解説がたくさん出て来ますが、上記のような激しい痛みになってくるとセルフケアで痛みをとるのは難しいでしょう。
深い場所にある筋肉はなかなか自力で緩めにくいものです。
症状がまったく無いときは筋トレやストレッチなどでセルフケアしつつ、激しい痛みが出てしまった場合は、専門家にみてもらうのが良いでしょう。
まずは専門のお医者さんを受診して、痛み止めなどが効かない場合などは、京王線沿線の方や調布にお住まいの方はぜひ、春宵堂治療院にお越し下さい。