~セルフメンテナンスで出来ること~
初診で当院におみえになった場合、一通りお話しを聞いて全身を観察し、何が主訴となる症状の原因かを判断し、こちらが患者様の状態をどう捉え施術する(した)か、や今後の方針をお伝えするわけですが、「何か質問はございますか?」とお聞きすると「何か自分でできることはありますか?」と仰る方が多いです。
例えば腰痛や膝痛、肩首の痛みなどは原因によってやった方が良いこと、やらない方が良いことが異なるため一概に言えませんが、自律神経失調症や胃腸症状、不眠やPMSや不妊などは、「運動をすること」が一番手っ取り早く安あがりです。
様々な病は、東洋医学的には最終的に「気の流れが悪いこと」が原因と考え、更に気の流れが悪い原因は大きく分けて二つの原因、①「虚」か、②「実」が考えられます。
①虚が原因の場合
これは簡単に言うと体力が弱い、と言い換える事ができます。
この場合は体力が無いことが原因の自律神経失調症や胃腸障害、不眠や不妊等です。自然に例えると、川の水が少なすぎて川岸にゴミがたまったり、支流に水が来なかったりする様なイメージです。体力が無いことで栄養が末端まで行かなかったり、途中で滞ってしまう。
漢方薬では体力を補強するお薬を飲むことになるでしょうし、鍼灸では補う施術をすることになります。
では自分で何が出来るか?
これは体力の底上げをすることになります。体力の底上げには運動しかありません。
しかし元々虚弱で「虚」からくる症状が起きているわけですから、無理はいけません。少しずつ散歩の量を増やしていく。初めは5分~10分でいいのです。
例えば慢性疲労症候群やコロナ後遺症でクラッシュと言われる症状が起きるのは、無理しすぎてしまった場合が多いようですが、やはり弱っている場合は無理は禁物。でも、底上げには運動しかないのです。
まずは漢方や鍼灸で動けそうだなと思えるくらいに回復したら、少しずつお散歩などすることをおすすめ致します。月単位、年単位になってしまうかも知れません。ものすごく気の長い話になってしまうかも知れませんが、でも運動は有効なのです。
②の実が原因については次回!