◆睡眠不足の弊害
当院には、不眠を主訴として来院される患者様も多いですが、他の症状で来院されて、問診をしていくと睡眠不足が体調の悪さに影響している方も多いです。
不眠以外(不眠症でなく、眠られるけど寝ない方)での睡眠不足の理由としては、①仕事が忙しい、②専業主婦の方でも、夫の帰りが遅く、子供の部活で早朝からお弁当を作らなければならず、家族の誰よりも遅く寝て誰よりも早く起きるし、週末も家族は会社や学校が休みでも主婦だから家族の世話で休めない、という方も。また、③乳幼児のお母さんですと、子育てで全く自分の時間が取れないので、寝る前にスマホを見る時間だけが自分の時間になってしまっている・・・という方も。
以上は大人の方の場合ですが、お子さんでも①習い事や塾で忙しくて十分寝られない、②ゲームやスマホでつい夜更かししてしまう、などとよく聞きます。
理由はともかく、睡眠不足ですと様々な症状を来してしまいます。
例えばイライラ・肌荒れ・集中力の低下・のぼせ・風邪を引きやすい・疲労感・・・
↓以下のサイトに、睡眠不足による症状が良くまとめられていました。高血圧、肥満や頭痛も、睡眠不足による症状の一つとのこと。
寝不足の影響は? 睡眠不足が引き起こす状態一覧(外部サイト)
西洋医学的には、睡眠中に出るホルモンである、メラトニンや成長ホルモンが十分に分泌されないことがこういった症状の原因の一つであると説明しています。
◇睡眠不足は「美」の大敵!
以下は、睡眠不足は美容にも悪影響があるという記事です。気になる女性も多い事でしょう。
メラトニンと成長ホルモンがカギ! 睡眠で高める美と健康(外部サイト)
◇お子さんの成績・情緒にも睡眠が影響。
以下は、子供の成長とイライラや成績と睡眠不足についての記事。お子さんの睡眠不足は、成績や情緒に影響するようなので、大人以上に注意が必要かも知れません。
「寝る子は育つ」は本当!? 睡眠専門医に聞く「眠りと発育・成績」の関係性(外部サイト)
◆東洋医学的睡眠不足の解釈
では東洋医学では、睡眠の必要性をどの様に解釈しているのでしょうか?
東洋医学では、睡眠はできるだけ夜にとる必要があると考えています。
◇陰の時間帯に陰を補充する!
何故なら夜は「陰の時間帯」なのでその時間帯に睡眠をとることによって、「体内の陰=水気」が補われると考えているからです(つまり「陽の時間帯」である昼は「体内の陽」が補われています)。ちゃんと寝た後に、化粧ののりが良い、ドライアイが楽、変に喉が乾かない、集中できる、などは分かりやすい例です。寝ている間に「陰=水気」が補われているんですね!集中力に関しては、脳のオーバーヒートに水をかけて冷やしているイメージです。
つまり睡眠不足が続くと「体内の陰」が補われる機会が失われ、どんどん乾いていきますから、
①「陽」が余り、「熱症状」が出てきます。症状としては、イライラ、気分の落ち込み、集中力の低下など。吹き出物や蕁麻疹など肌荒れ。目の充血、目の渇き、頭痛肩こり。のぼせや動悸、胸苦しさが出てくる場合も。
また、元々虚弱な体質ですと、
②陰が減ると陽も減るため全体的に衰えてしまいます。
全体が衰えるので、症状としては疲労感や倦怠感はもちろん、風邪を引きやすい、膀胱炎になりやすい、息切れやぼーっとする、などの症状が出てきやすくなります。
例えば不妊症や生理痛、頭痛や動悸が主訴でみえた方も、しっかり睡眠を取れば同じ症状を予防できる場合も多いです。不眠症の方は別にして(治療を受けましょう!)、寝られるけど諸事情により睡眠時間を削っている方は、生活習慣を見直して、まずはセルフケアとしてしっかり寝る時間を確保してみてください。
特に体力のある方は寝なくてもいろいろ出来てしまうため、自分の睡眠不足に気がつかないことも。若いうちは良いのですが、年を重ねるうちに疲労が蓄積して重病になってしまうこともあるようです。40歳を過ぎたら、自分の体力を過信せず、きちんと睡眠を取る事が健康に年を重ねることに繋がりますよ!
※布団に入っても眠れない・深夜や早朝に目が覚めてその後眠れない、などは不眠症ですから、治療を受けましょう!鍼施術でも効果はあります。
※夜働いている方は、遮光カーテンで部屋を暗くする、アイマスクをするなどして、深く眠れるような工夫をしてみてください。